お水の知識

ウォーターサーバーは実は危険!? 水のプロがペットボトルを選ぶ訳とは

2018.08.28 | ウォーターサーバー, ミネラルウォーター

ウォーターサーバーは実は危険!? 水のプロがペットボトルを選ぶ訳とは?

質の高い天然水やRO水を、いつでも手軽に飲むことができることから人気となっているウォーターサーバー。
冷水とお湯をすぐに使用することができたり、重たいお水を家まで配達してもらえたりと、日々の生活を便利にしてくれるため普及を見せています。

しかし、安全だと思って飲んでいるウォーターサーバーのそのお水は、実は衛生的に問題があるかもしれないのです…!

今回はそんなウォーターサーバーがおすすめできない理由を、飲料メーカーに11年勤めていた経歴を持つ元業界人の筆者が徹底解説いたします!

水のプロはなぜウォーターサーバーではなくペットボトルタイプのミネラルウォーターを選ぶのか、この記事を読んでいただければご理解いただけると思います!

なぜ人気?ウォーターサーバーのメリットとは?

ウォーターサーバー

そもそもなぜウォーターサーバーはここまで全国で普及したのでしょうか?

その理由のひとつに、消毒のために塩素が入っている水道水よりも「もっと安全でおいしいお水が飲みたい」という消費者の飲用水に対する意識が向上したことも要因として考えられますが、やはり最大の理由は「便利だから」ということに尽きるのではないでしょうか?

ウォーターサーバーをご家庭に導入することで、主に下記のようなメリットを得ることができます。

ウォーターサーバーのメリット
・いつでも冷たい水とお湯をすぐに使用することができる
・重たいお水を家まで配達してくれる
・水が冷蔵庫の場所を取らなくなる
・災害時も備蓄水として活躍する
・ペットボトルよりゴミが少ない
 

また、上記以外にも、ウォーターサーバーを導入したことで「以前よりもお水をよく飲むようになった」という声も耳にします。

これは、目に着く場所においしいお水が飲めるウォーターサーバーが置いてあることで、自然とお水を飲む回数が増えるのです。

ウォーターサーバーによってお水をこまめに飲む習慣がつき、実際にお通じが良くなったり朝スッキリ起きられるようになった、という利用者の声も見受けることができます。

ウォーターサーバーがおすすめできない理由4つ

上記の通り、ウォーターサーバーには生活の質を上げてくれるメリットがいくつかありますが、それでも水のプロがウォーターサーバーを利用しない明確な理由が4つ存在します。

理由① 実は不衛生!?サーバー内部は雑菌の温床

ウォーターサーバー内部は雑菌が繁殖しやすい

自分の手で掃除することができないサーバーの内部は、非常に雑菌が繁殖しやすい環境となっています。

メーカーによっては定期的にメンテナンス(サーバー内部の清掃or新しいものと交換)を行っているとしても、早くて数ヶ月〜2年おきに1回というスパンで、毎日使っているサーバー内部には雑菌がどんどん繁殖していきます。

また、サーバーに自動クリーニング機能(サーバー内部で熱湯を循環させて雑菌の繁殖を抑える機能のこと)が搭載されていたとしても、ボトルをサーバーに設置する際に雑菌を含んだ空気がボトルの中に入り込んでしまいます。
そのため、熱湯を循環させることができないボトル内部では、雑菌が繁殖していってしまうのです。

実際、市場に出回っているウォーターサーバーを調査したところ、水道水よりも雑菌が多く含まれていて不衛生な製品があることも確認されています。

事実、ある調査では、一定期間メンテナンスがされていないウォーターサーバーでは、1mlあたり5万個以上もの雑菌が見つかったということだが、これは水道水の水質基準を100倍以上こえる数値で、もはや「安全な水」とは程遠い状況になっていたとか。

【参考】安全なはずのウォーターサーバーに潜むワナ|東洋経済オンライン

最近の調査結果でもウォーターサーバーの全体の3割程度は、水道水よりも雑菌が多いため不衛生であることがわかっています。

麻布大学の古畑勝則教授(微生物学)という方がいるのですが、その方が家庭はオフィスで使用中のウォーターサーバー140個を調べたところ、その中の42個のウォーターサーバーが水道水の基準を上回ったとのことです。

【参考】雑菌が繁殖する不衛生なウォーターサーバーとは?|ウォーターサーバーKING

そもそもウォーターサーバーに使用されるお水には雑菌が繁殖することを防ぐ「塩素(カルキ)」が添加されていないため、雑菌が増えやすいのです。

そのため、ウォーターサーバーの内部で雑菌を繁殖させないためには、ボトルの差込口や蛇口まわり、受け皿などをこまめに洗ったりアルコール入りのウェットティッシュで拭いてあげる必要があります。

しかし、それでもお水を使用するたびにボトルの内部に空気がボコボコと入り、空気中にある雑菌も一緒にボトルの中に侵入してしまうので雑菌の繁殖はなかなか防ぐことができません。

ペットボトルタイプのミネラルウォーターは開封したら冷蔵庫で保存して数日で飲み切ることができますが、ウォーターサーバーのお水は常温保存で使い切るまでに1週間前後もかかるため、その間に雑菌がみるみる繁殖してしまうのです。

雑菌まみれのお水を飲んだからと言って直ちに健康に害が出るわけではないのですが、せっかくお金を出して買っているのに不衛生な水なんか飲みたくないですよね…。

水のプロがウォーターサーバーを選ばない最大の理由は、このように衛生面に問題があるからなんです…。

理由② ランニングコストが高い

ウォーターサーバーはランニングコストが高い

ウォーターサーバーは毎月注文するお水の料金以外にも、サーバーのレンタル料や電気代など、さまざまなランニングコストがかかってきます。

ウォーターサーバーを利用するために発生する月々の費用として、主に以下の5つがあります。

ウォーターサーバーにかかる主な費用
・サーバーレンタル代
・電気代
・メンテナンス費用
・お水の購入費用
・配送料
 

中にはサーバーのレンタル代やお水の配送料が無料だったりするメーカーもありますが、だいたいは上記の費用が毎月かかってきます。

では、具体的にペットボトルのミネラルウォーターを購入した時とウォーターサーバーを利用した時では、どのくらい費用に差が出てくるのか、下の表にまとめてみました!

  ペットボトル
(Amazon調べ)
ウォーターサーバー
(公式サイト調べ)
商品 サントリー 南アルプスの天然水
サントリー
南アルプスの天然水 (2L×12本)
プレミアムウォーター スリムサーバーIII
プレミアムウォーター
スリムサーバーIII (ロング)
水の価格
(500ml換算)
約24円 約77円
水以外の費用 配送料:0円
サーバーレンタル代:0円
電気代:約980円 / 月
メンテナンス料:0円
配送料:0円
月額費用
(24L使用)
2,270円 約4,660円

上記の比較は、ペットボトル、ウォーターサーバーともに有名メーカーから売れ筋の商品をそれぞれピックアップして比較してみました。

こうしてみると、両者の月額費用の差は約2,390円と、ペットボトルが大差をつけて安いという結果に。

ウォーターサーバーの利便性や付加価値がこのコストの差に見合っていると感じるかは人それぞれですが、やはりウォーターサーバーの利用にはお金がかかるというのが現状です。

筆者の個人的な考えとしては、「これだけのお金を払ってまで雑菌が繁殖したお水なんか飲みたくない…!」というのが、正直な意見です…。

理由③ 購入ノルマがある&解約金がかかる場合も…

サーバーのレンタル料が無料で月々の費用が安いウォーターサーバーであっても、ほどんどのメーカーではお水の購入ノルマが設定されています。

毎月決められた本数以上のボトルを購入しないと、サーバーレンタル料として数千円ほど徴収されてしまうのです。

また、ウォーターサーバーは一度利用を始めたら簡単に解約できないシステムになっているのも大きなデメリットです。

多くのメーカーでは契約してから1,2年以内に解約する場合、3,000〜15,000円ほどの解約金が発生してしまいます。

主要メーカーのウォーターサーバー解約金一覧

メーカー 解約金
フレシャス 9.720円(2年未満の解約)
サントリー ウォーターサーバー ・7,000円(1年未満の更新月以外に解約した場合)
・3,000円(2年未満の更新月以外に解約した場合)
プレミアムウォーター 15,120円(2年以内の解約)
※サーバー引取手数料 9,720円 + サーバー交換手数料 5,400円
アクアクララ 3,000円(180日以内の解約)
うるのん ・10,800円(1年未満の解約)
・5,400円(1年以上2年未満の解約)
クリクラミオ 8,000円(2年未満の解約)
アルピナウォーター 4,762円(1年以内の解約)

解約には上記のような縛りが設けられているメーカーがほとんどなので、実際に使ってみて「なんか違った!」と思っても気軽に解約できないのは辛いですよね…。

また、メーカーによってはお水の注文を休止する場合にも事務手数料として1,000円ほど料金を徴収するところもあるので、契約の際にはこういった細かい条件もチェックしていく必要があります。

理由④ サーバーの設置・ボトルの保管に場所を取る

ウォーターサーバーのボトル

ウォーターサーバーを導入することでお水が冷蔵庫で場所を取らなくなるというメリットがありますが、それ以上にサーバーの設置場所や水ボトルの保管場所など、けっこう場所を取ります。

また、リターナブル方式のボトル(使い回しするボトルのこと)だと、業者が回収に来るまで空になったボトルを家で保管しておかなければなりません。

自宅にそのようなスペースの余裕がない場合は、ウォーターサーバーを利用することが難しくなります。

安全でおいしいペットボトルのお水の選び方

ウォーターサーバーは便利だという反面、衛生面や金額の面でもいろいろとリスクがあることがわかりました。

このような事情があるから、水業界を知っているプロ達はウォーターサーバーを利用せず、ペットボトルのミネラルウォーターを購入している人が多いのです。

それでは、今度はペットボトルのミネラルウォーターの中でも、より安全でおいしいお水の選び方のポイントを3つご紹介いたします!

ポイント① ペットボトルの硬さ

皆さんはペットボトルの硬さって意識したことはありますか?

同じミネラルウォーターのペットボトルでも、いろはすのようなベコベコで柔らかいボトルから、分厚く作られていて簡単に潰せないほど固いボトルまで、いろいろあると思います。

結論から言うと、より良いお水を購入したいならペットボトルが固い方のミネラルウォーターを購入することをオススメします!

と申しますのも、実はペットボトルには目で見ることができないほど小さな穴が無数に開いていています。
そこからペットボトルの内部へ空気が少しずつ入り込み、中身のお水が侵入してきた空気にさらされてしまうと、お水が酸化して水の鮮度が落ちてしまうのです。

ペットボトルは厚くて固い作りであれば空気の侵入を最小限に留めることができますが、逆に薄くて柔らかいペットボトルは空気の侵入が多くなり、その分早く中のお水が劣化していってしまうのです。

固いペットボトルと柔らかいペットボトルの違い

もちろん、柔らかいペットボトルでも賞味期限以内であれば問題なく飲むことができますが、おいしいお水を飲むという観点から考えると、購入したらお水の鮮度が落ちる前に早めに飲みきってしまうことをオススメします!

ポイント② お水の充填位置

ペットボトルのお水の充填位置

ペットボトルの中のお水の鮮度と品質を守るためには、お水の充填位置も非常に重要となってきます。

様々なミネラルウォーターを見比べてみると、お水の充填位置がキャップ部分よりも上だったり下だったりと、商品によってバラバラです。

飲み口ギリギリにまでお水が充填されているミネラルウォーターは、「開ける時にこぼしてしまいそう…」と嫌がられる方も少なくないと思いますが、実はこれもお水の品質を保つためになされていることなんです!

先ほどお水は空気に触れると劣化してしまうとお話したかと思いますが、ペットボトルの中に入っている空気の量が多いほど、お水が空気に触れる面積もその分多くなってしまうので、お水の鮮度が落ちるのが早くなってしまうんです。

それを防ぎ、新鮮なままのお水を届けるために工夫しているのが、お水の充填位置が高いミネラルウォーターなんです。

新鮮でおいしいミネラルウォーターを飲みたいなら、充填位置もぜひチェックしてみてください。

ポイント③ お水の殺菌方法

ペットボトルの殺菌方法

ジュースのように保存料などを添加することができないミネラルウォーターは、カビや雑菌が混入してしまうとペットボトルの中であっという間に繁殖してしまうため、そうならないためにも採水したお水は徹底的に殺菌しなくてはいけません。

ミネラルウォーターの製造工場で最も行われている一般的な殺菌処理の方法は、採水したお水を高温で熱することで殺菌する「加熱殺菌」という方法です。

しかし、この方法だと高熱が加わってお水の成分が変質してしまう可能性があり、また、水の中に溶け込んでいる酸素(溶存酸素)が加熱によって飛んでしまうので、自然本来のおいしさが損なわれてしまうというデメリットがあります。

しかし、「非加熱殺菌」という殺菌方法ならそのデメリットを解消することができます。

この処理方法は、採水したお水を雑菌さえ通ることができない超微細なフィルターでろ過して除菌するというものなので、おいしさが損なわれることはありません

ただ、非加熱殺菌は非常に手間やコストがかかる処理方法なので、導入している工場はそれほど多くないのが現状です。

品質にこだわって非加熱殺菌で製造している工場では、メーカーの公式ホームページをチェックすると「非加熱殺菌で製造している」としっかり明記されているので簡単に判断することができますよ。

まとめ

ウォーターサーバーはとても便利な存在ですが、①雑菌が繁殖しやすいことと、そして②月々の費用が高いことを考えると、やはりペットボトルのミネラルウォーターを購入したほうが安心でお得だと思います。

赤ちゃんがいるご家庭ではミルクや離乳食作りの際にわざわざお湯を沸かさなくてもすぐに使用することができるという点で導入されている方も多いようですが、いくら人体に害はないとはいえ、雑菌が繁殖してしまったお水を赤ちゃんや子どもに飲ませてしまうのはやはり心配です…。

何十年も先の家族の健康を考えるなら、少々面倒でもペットボトルのミネラルウォーターをオススメします!