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未開封のペットボトルが勝手にへこむ理由は?ミネラルウォーターの謎

2019.02.08 | ペットボトル, ミネラルウォーター

未開封のペットボトルが勝手にへこむ理由は?ミネラルウォーターの謎

皆さんは保管していた未開封のペットボトルが、いつの間にかへこんでしまっていたという経験はありませんか?

ペットボトル全体にバキュームがかかっていて、なんとなく「飲んでも大丈夫かな・・・?」と心配になる方もいらっしゃると思います。

それが保管期間が長く、ましてや賞味期限が切れていたとしたらなおさらです。

しかし、結論から申し上げますと、ペットボトルの中身がミネラルウォーター(水)であれば全く問題はありません

ではなぜ水であれば大丈夫なのか、そして未開封のペットボトルがへこんでしまう現象はどうして発生するのか、今回はその理由を解説いたします!

そもそも水は腐らない

そもそも水は腐らない

そもそも水というのは腐らない物質です。

水にはジュースなどのように腐る原因となる有機物が含まれていません。

ミネラルウォーターに含まれているナトリウムやマグネシウム、カルシウムなどのミネラル成分は全て無機物なので、一般的な食品のように腐らないのです。

そのため、ミネラルウォーターは賞味期限をどんなに過ぎていても、基本的に問題なく飲むことができるのです。

例外も?巷で言う「水が腐る」って話は一体なんなの?

「でもでも!水が腐るってよく言うよね?」と思う方もいらっしゃると思います。

水が白く濁ってしまったり、異臭を感じたりして、それを「水が腐った」と判断してしまいがちですが、それは水が腐ったのではなく、水の中に混入した別の物質が腐っているのです。

たとえば、水の中に何らかの原因で雑菌や微生物が入り込んでしまえば、それが水の中で繁殖したり腐敗したりして変色や異臭の原因となります。

水は非常にデリケートなので、1度ペットボトルを開栓すると雑菌や微生物が入り込んでしまいます。

しかし、逆を言えばペットボトルが未開封の状態であれば水はいつまでもキレイな状態を保てるのです。

なぜミネラルウォーターには賞味期限が設けられているの?

ミネラルウォーター

では、水は何があっても腐らないという事実があるのに、どうしてペットボトルのミネラルウォーターには賞味期限が設けられているのでしょうか?

それは水に理由があるのではなく、容器であるペットボトルの“とある性質”によるものなんです。

また、この性質がペットボトルが勝手にへこんでしまう現象とも大きく関わってきます。

理由1:ペットボトルの中身の水が少しずつ蒸発するため

一見完全に密閉されているように見えるペットボトルですが、液体は通さなくてもわずかに気体を通す「気体通過性」という性質があります。

ペットボトルのボディには水の分子よりも小さい穴がたくさん空いていて、そこから微量の空気が出入りしています。

そこで、ペットボトルの中の水が蒸発し気化してしまうと、液体のときには通れなかった穴を通れるようになって、ペットボトルの外へ少しずつ出ていってしまうのです。

そうするとペットボトル内部の水が少しずつ減少していき、水が減った容量分、ペットボトルがへこんでしまうという訳なのです。

ですから、水の品質自体にはなんの問題も起きていないため、問題なく飲めるという訳なんですね。

経年によって未開封ペットボトルがへこんでいく様子

内容物が減ってしまったペットボトル飲料を販売するのは禁じられている

蒸発によって中身が減ってしまったペットボトル飲料は、法律で販売に制限がかけられます。

日本では「計量法」という法律があって、「ペットボトル飲料は、明記されている内容量との誤差が1%以内でなければ販売できない」と決められているのです。

1%というと、500mlペットボトルでは5ml、2リットルでは20mlの量です。

つまり、製造から時間がたって水が少しずつ蒸発していったとして、この定められた1%の量を超えてしまう限界の時期を賞味期限としてメーカーは定めているのです。

理由2:標高が高い場所にある工場で充填されているため

ミネラルウォーター工場は標高が高い場所にあることも多い

しかし、賞味期限がまだ切れていないミネラルウォーターでも、ペットボトル全体がへこんでしまっている商品を見たことがある人もいらっしゃるんじゃないでしょうか?

これは例外ですが、先ほどとは違う理由があります。

結論から言うと、標高が高い場所にある工場で製造されたミネラルウォーターは必然的にバキュームがかかってしまいます。

ミネラルウォーターを製造する工場は、採水地と同じ場所に工場を建てることが多いです。

天然水を採水する場所は自然豊かで水源に恵まれている土地でなくてはならないので、結果的に富士山や阿蘇山などの標高が高い山麓で製造されることも少なくありません。

標高が高い場所は気圧が低いため、そこで製造されたあとに標高の低い平地(=気圧が高い)へ運ばれると、ペットボトルの内部と外の気圧のバランスが崩れ、ペットボトルが外気に押される形でへこんでしまうのです。

ですので、こちらの場合ももちろん内容物の品質に問題はなく、安心して飲むことが可能です。

気圧の影響でペットボトルがへこんだ商品の例

気圧の影響でペットボトルがへこんだ商品の例

▲この水は、富士山麓の標高1,000mに位置する忍野村で採水・製造されたもの。気圧の変動で左のペットボトルがへこんでいる。

災害備蓄用の保存水は水の蒸発を防ぐ対策がされている

災害備蓄用の保存水

同じペットボトルのミネラルウォーターでも、災害備蓄用の保存水は賞味期限が5〜15年ととても長く設定されています。

これは、ペットボトルを通常よりも分厚くしたり特殊なコーティングを施すことによって気体通過性を限りなく少なくし、水の蒸発を極限まで抑えることができているためです。

品質に問題はないと言っても、未開封のペットボトルがへこんでしまうのが気になるようであれば、保存水がおすすめです。

ジュースやお茶のペットボトルは賞味期限後2年が限界

余談ではありますが、ジュースやお茶などのペットボトル飲料が飲めるのは、長くても賞味期限が切れてから2年が限界です。

ペットボトルの中の水分が蒸発して味がだんだんと濃くなってしまいますし、風味の劣化も気になります。

これらの飲料は水とは違って腐ってしまう有機物が含まれているため、健康のためにも賞味期限を守った方が安心だと言えます。

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